ライダーハウス蜂の宿

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世界はパワーワードでできている

裁判所近くに来ると、警察の移送車が止まっていた。身柄拘束の被告であることがわかる。「どんな事件なんだろ?」とワクワクした。

 

いつもガランとしている旭川地裁の法廷前廊下には記者がいっぱいいた。みんな雑談したり電話したりしている。

 

しきりに「あ、○○新聞の何何ですけど、今日は管内でなにかありました?」という電話をかけている人がいる。おそらく警察の広報あたりにネタを捜しているのだろう。

 

旭川地裁では裁判の開始5分前ぐらいにダルそうに職員がやってくるのが普通だ。でも今日は違う。15分前に傍聴席のドアがあけられ、職員が立っている。

 

傍聴席に座ると、再び記者たちの雑談、あいさつ。TVカメラも入る。ガラガラと音をたてて台車がやってくる。台車の上には大量の書類。後で分かったけど全部証拠資料だ。

 

裁判が始まる。裁判官は3人。おそらく旭川地裁刑事部全員だ。キアイが入ってる。

 

事件は紋別市の職員が賄賂を受け取ったり暴行を加えたりしたということ。ただ、被告は暴行はみとめたけど、収賄は否認した。

 

これで事件が恐ろしくややこしくなったのだろう。賄賂は受け取ってない、バイト代を払っただけだという。それを証明するために台車1台分の書類の山が作られ、半年以上の時間がかかる。

 

20人近くいる記者達のなかで、最初から最後まで傍聴する人はいないだろう。誰が書いても同じだからだ。事実「紋別 収賄」で検索すると、今日の記事がいっぱい出てくるが、内容は大体同じだ。

 

新聞記者は限られた紙面のなかで、限界まで文字数を削る。そこに脚色や冗長はない。だから似通う。

 

それに通ったところでニュースネタにはなりにくいだろう。せいぜい100万ほどの賄賂だからだ。裁判の途中で退席する記者も何人かいた。

 

「大事なのは賄賂じゃないのにな」と私は思う。でもそれはニュースにならないのかもしれない。

 

パワーワードが無視される

今回の裁判で面白そうなのは被告の犯した「暴行」だ。ボイスレコーダーで録音されているからか、検事が感情たっぷりに演じてくれた。

「おう、お前言ったよな?熊のエサにしてやるってよ!殺してやるからな!銃いまあるんだぞ!」

と夜の紋別の山の中で職員を脅したのだ。この言葉こそ被告の人柄を表しているといえるだろう。

 

収賄なんて被告の小遣い稼ぎに過ぎない。本当に大事な部分はニュースにならないのだ。

 

 

午後に傍聴した裁判もそうだ。ちょっと過激な夫婦喧嘩だったけど、一番面白かったのは被告の最後の台詞。

「夫婦で上下関係はあるとおもいます。少なくとも外でカネを稼いでくるほうが上」

フェミニストが聞いたら顔が真っ赤になるような台詞を放った。

 

昨日傍聴した裁判でも「お前のせいで人生崩壊だよ!バーカ!」と彼女にメールした被告がいた。「彼女がいったい何をしたのか?」と思ったが、本当に何もしていない。

ただ、被告が彼女に会いたいから車に乗った。それで事故を起こしてしまっただけ。

裁判傍聴では想像の斜め上を行く人間を観察できる。もし職場にこんな人間がいたらどうしよう?とイメージトレーニングできる。一生忘れられないパワーワードとそのクリエイターにであえるのだ。


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