モトハチ(元蜂の宿管理人のブログ)

閉鎖したライダーハウスの元管理人のブログです

郵便局を辞めて後悔することはない

大学を卒業してから5年ほど郵便局で働いた。2年配達、3年貯金保険の外務。保険が売れなくて辞めたが後悔はない。

 

郵便局を辞めた後は飲食とライダーハウスの仕事に入った。そこは2年で使えなくなった。建物が道路の拡張に引っかかったのだ。次は自分一人でやってみることにした。

幸い物件はすぐに見つかり、今でもそこにいる。もう10年になる。借金もしないでやってこれたのは運が良かったこともあったけど、この業界のやさしさもあった。

「郵便局を辞めたら働ける仕事なんてない」そう思っていたが間違いだ。郵便局よりも楽な仕事、楽しい仕事は無数にある。私の知ってる飲食とライダーハウスの仕事と比較してみたい。

 

ライダーハウスの仕事

ライダーハウスはちょっと特殊だが、近いところで民泊がある。だれでも始められるビジネスだからぜひやってみるといい。適当な空き家を見つけて、格安で借りる。内装などをきれいにしてAirbnbに登録する。するとお客さんがやってくる。

そこに観光資源など泊まる価値があるなら値段を高く、そうでないなら限界まで安くすればいい。難しい技術はいらない。生活するための知恵(例えば水道管の工事など)をネットで調べれば誰でもできる。

 

飲食業について

飲食業で2年ほど働いた。私がラッキーだったのは新店舗立ち上げに関われたことだ。開業に関する問題やトラブルなどを体得できたのは大きかった。

個人でやるような飲食ビジネスモデルなら2年もあれば十分だ。ぶっちゃけ料理もこだわる必要はない。ある程度まとめたら営業開始して、そのうちに積み上げていけばいい。保健所や消防、役所や税務署などの届け出はネットで調べれば乗っている。

ここで知っておいてほしいことは一つ。自営業でホームランはないということだ。どうしたってキャパシティがあるし、そこから割り出される最高利益もわかる。それは郵便局の給料よりもさみしいことになると思っていい。

だからもし郵便局よりもガッツリ稼ごうと思うのなら、事業の拡大を目指さなくてはいけないだろう。それは私には未知の世界だし、そこを目指そうとは思わない。あくまでスローでスモールなビジネス。メンタルを削ることなくまったりとできる商売について郵便局の仕事と比較してみたい。

 

郵便配達

アマゾンが出てくる前の郵便配達はのんびりしていた。特に民営化前の配達と現在の配達は別物である。とにかく忙しいけど、難しい仕事ではない。10人いれば7人はできるだろう。

人間的な仕事なのだ。どうしたって人の力(それも日本語が理解できる人)でないとできないから、できない仕事や無理難題をかぶせられることは無い。「無理だ」と感じたらチームでフォローする体制も整っている。

ただ営業ノルマは人間的ではない。無理を承知で科せられるだろう。それをクリアしても特にメリットは無い。配達の仕事は減点方式なのだ。

最初に100点が与えられている。誤配をしたらマイナス、営業ノルマに到達しなかったらマイナスとひかれていく。赤点になったら指導が入る。

給料は高くないが数年勤めれば1200円に到達する。普通に生活するには申し分ない給料を貰える。少ないがボーナスもでる。正社員になる道もある。

自営業に比べるといい仕事だったと思う。安定した給料が望めるし、仲間も多いから落ち着く。ただ毎日同じルーティンをやることに飽きることがある。減点方式はつまらないと感じることもある。仕事以外で日々の楽しみを見つけることが重要だ。

自営業は加点方式だ。稼ごうと思ったら何かをしなくてはいけない。それはエキサイティングなもので楽しい。給与ベースもなく不安定だけど、経験を積む楽しさがある。

 

保険営業

郵便局の貯金営業については特になし。すごかったのは簡保の営業ノルマだった。同じ郵便局でも配達とは全く違う世界だ。

保険営業の研修はみっちりと行われる。保険は金融商品、ネットや外資と戦わなくてはいけない。そのためには知識が必要だ。

そして知識を得ても不十分。生き残るには人の心をこじ開ける鍵がなくてはいけない。それは絶妙なコミュニケーションのみに集約される。様々な名人芸を横で見てきた。練り上げられた会話の技術。面白かった。

コミュニケーションに自信がついたのは財産だった。どうしても保険ノルマが達成できずに、いろんな先生に教えを請いた。それでも自分の未来はここにはないと思った。

モノを売るのは好きなのだ。保険を売るのが嫌いなだけだ。だからどこでも生きていける自信があった。

飲食業もライダーハウスも結局はモノやサービスを売ることにすぎない。そこにはどうしても営業技術、コミュニケーションが必要になる。ただ保険を売るよりも楽だ。

 

郵便局を辞めて後悔することは無い。郵便局よりも簡単な仕事、やりがいのある仕事は沢山ある。ウツになる郵便局員をはためで見てきたが「生きていくにはもっと楽で向いている仕事があるよ」と教えてあげたい。

商売のセンスが全くない私でも自営業ができているのはその証明だ。社会は安定を手放したものにはやさしい。旅人に親切な人がいるように、郵便局から外に向かって歩き出すことをお勧めしたい。

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