9月も中旬に入り、ライダーもめっきり減りました。
今日は新しく入った人はいませんでした、連泊の人だけのライダーハウスです。
そして忙しいときにはまったく感じないのですが、暇になるとやってくるのが「恐怖」です。
「これから収入は減っていくのに大丈夫?」
「さらに今年はアルバイトもやらないんだよ?」
「ねえ、大丈夫?大丈夫?」
と目に見えない幽霊のように恐怖はささやいてくるのです。
あまりに恐ろしくて逃げ出したくなるのですが、今年の私は一味違います。
自分で「強くなった」と思うのです。
どうして強くなったのでしょうか。
それは裁判傍聴に行ったからです。
※※※
なにか新しいことを始めるときには、必ず恐怖がやってきます。
それを打ち消すにはワクワクとか好奇心が必要です、ダメージを受ける覚悟も必要かもしれません。
「冬の間、ネットの仕事ですごしてみる」
というのはそこそこのダメージがあるでしょう。
収入は激減するでしょうし、数少ない冬のアルバイト先を失うことになるかもしれません。
それでも好奇心が踏み切らせてくれました、あとは恐怖のささやきと戦うだけです。
でも私には裁判傍聴があります、裁判傍聴をやって強くなったのです。
たとえネットの仕事がうまくいかなくても、もっと上手くいってない人が必ずいます。
先日見た裁判では「精力剤を買ったら訴えられた」男性がいました。
あの被告に比べたら、私がこれからどんなに失敗をしても「軽症」でしょう。
たいしたことはないのです。
暇だったので今日から居酒屋も通常営業にしました。
居酒屋をやっていると「どんなヤバイ客がくるか」恐怖にとらわれることがあります。
これはサービス業をやっているひとなら、一度は経験するでしょう。 突然、むしょうに客が恐ろしくなるのです。
でも、裁判傍聴で見てきたような人はきっときません。
午前中に万引きして、午後にまた万引きするためにやってくるような人間はきません。
せいぜい人を殺したヤクザくらいです、それもたいていおとなしくしてます。
幻覚と幻聴に悩んでいる人も来ません、統合失調症で突然いなくなる人ぐらいです。
有印紙文書を偽造する人も来ません、覚せい剤をついつい打っちゃう人もきません、20年不倫している人ぐらいはくるかもしれませんが、居酒屋営業には問題ありません。
つまり、裁判傍聴で見てきたような人間は来ないのです。
たいしたことはないのです。
裁判傍聴は下種な趣味かもしれません。
結局、自分は安全な「合法」の柵の内側にいて、外側にいて裁かれている被告を見るのは「セーフティー」である愉悦がともなうからです。
でもいいことだってあるんです。
「こんな人もいるんだ」というリアルな体験は、自分の幅を広げてくれたと思うのです。
人間関係に悩んでいる人がいるなら、ぜひ裁判傍聴に行くことをお勧めします。
あそこには、そこらへんにいる「小物」や「小悪党」はいません。
「超小物」か「悪党」がいます。
彼らに比べたら「小物」や「小悪党」は善良な市民といえるでしょう。
たいしたことはないのです。
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