ライダーハウス蜂の宿

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【絶対に負けられない戦いはあるのか?】読書感想文:「宮本から君へ」を読んだ

ライダーハウス蜂の宿管理人のノザワです

新井英樹の名作マンガ「宮本から君へ」(太田出版)を読みました。

この作品の中で「絶対に負けられない戦い」があるのですが、実際にそんなものってあるのでしょうか?

「きっとあるよなあ」と思います。

自分の命よりも大事なものを守る戦いってあると思うのです。

 

※※※

 

 Amazonのリンクを張っておいてなんですが、誰にでもお勧めできる作品ではないかもしれません。

なぜなら主人公宮本が体験する苦しみがリアルに描かれていて、読んでいて胸が苦しくなってしまうからです。 

その苦しみの中でもとくに「絶対に負けられない戦い」に挑む時の宮本は壮絶です。 99%負けるかもしれないけど、やらなくてはいけない戦い。 それでいて負けは許されない戦いってあるのでしょうか?

 

 

例えば「ここで負けたら死ぬ」って戦いはあまり無いと思うのです。 戦国時代や戦時中ならあったかもしれませんが、現代社会で普通に生活しているならまずないでしょう。 たとえヤクザになって「明日死んで来い」って言われても逃げればいいだけですしね。 たいていの苦しみからは逃げるが勝ちか、それが過ぎ去るのをじっと待てばいいんです。

 

でも「戦わなくてはいけない」ってシチュエーションはあると思うのです。 私の体験でいえば仕事を辞めた時や、ヤクザが店にやってきた時だと思います。 郵便局の保険屋が務まらなくなった時も、ヘラヘラしていれば給料はもらえました。 土下座して配達に戻してもらうことも出来ましたし、やめたのはただの私のわがままといえるでしょう。

 

それでも辞めたのは「外の世界ってどうなってるんだろう?」という好奇心があったからだと思います。 この気持ちを腐らせるぐらいなら死んだほうがマシで、郵便局員であることとそれを投げ出す葛藤は自分の中では「戦い」という気持ちでした。 実際に外の社会に出てみると「命がけ」ってほどのことはありませんでしたけどね。 

 

次に「負けられない戦い」がやってきたのは、ライダーハウスにきたメーワクモノを排除するときです。 「チャカで敵のチンピラを撃ち殺して10年入った」というヤクザが店にやってきたときも、心の中で「絶対に引かない」と決めて挑みました。

 別にヘラヘラしてじっとしていれば明日にはいなくなる人です。 それでもそうはしたくありませんでした。 くだらないプライドかもしれませんが、メーワクモノに屈するぐらいなら潰れたほうがマシです。

 

で、やっぱり「負けられない戦い」って「自分との戦い」であることのほうが多いと思うんです。 特に男は命よりも大事な矜持があって、それを守るためならどんな不利な戦いでも挑んでしまうシステムが入ってるのではないでしょうか。

 例えば大学4年なのに北海道に来ている「もじゃ」(あだ名)も

「大手の内定を蹴って、未経験のITに行きます」

ということをやらかしてます。

どう考えても不利な戦いですが「内定先の人の顔が死んでいた」という理由と直感、そして下調べからの未来予想図に耐えられないと判断したようです。

「自分を鍛えられる仕事がしたい」という理由で、ブラック上等、IT戦士になることを決意したようです。

 

あるよなあ、そんなこと。 絶対に負けられない戦いってあるんですよ。 そんなことを気づかさせてくれた「宮本から君へ」はやっぱり名著だとおもうのです。

 

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