映画「七人の侍」を見た
一応ネタバレ注意です
といっても日本映画史上にきらめく名作なので、いまさらかもしれません。
200分という長編、白黒、昭和20年代という、見始めるにはちょっと重い映画です。
物語も農民の悲惨と屈辱が描かれてます。
うーん重いぜ。
でもね、良かった、見て良かったです。
最後に「勝ったのは我々(侍)ではない、彼ら(農民)だ」という台詞があるのですが、その台詞について考えてました。
山賊に村と女を奪われ、平身低頭侍にお願いして助けてもらった農民たち。
侍は篭城戦の戦術を駆使して、山賊をやっつけるんです。
侍はヒーローです。
でも、ヒーローなのは山賊がいたからです。
ならず者がいなければ、侍もまた武力を行使するだけの存在です。
悪がいるから正義がある。
最後の台詞はそんなことなのでしょう。
出来れば武力なんて持たないほうがいいんです。
畑も水田も米も持たないほうがいいんです。
もってるから奪われるのです。
美人の嫁も、クラウンマジェスタも、絶対に失敗しないFX取引も持たないほうがいい。
都心の高層マンションも、アイラモルトのウィスキーも、爆発予定のIT株も全部いらない、全部だ。
でも、人間は美人を見たら愛しちゃうし、畑も家も作っちゃう。
辛いことや屈辱は忘れることが出来る。
奪うよりも、奪われるほうがいい。
何かに力を加えたら、同じくらいの力で押し返される。
結局のところ、生きる美しさってのは奪われること、失うことを恐れずに愛したり生産することなのだ。
そんなメッセージだったのかもしれない。
あと、「スターウォーズがインスパイアされた作品だ」とジョージ・ルーカスはいっているけど、どこらへんがスターウォーズなのかまったくの謎。
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