ライダーハウス蜂の宿

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心を焼いて

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アタシがまだ保険の営業をしていたころ、

 

仕事がにっちもさっちも行かなくなって、

 

営業車を空き地にとめてひたすらサボっていた。

 

 

2年間、保険のセールスマンになるために必死で働いてきたけど、

 

どんなにやっても仕事は上手くいかなくて、

 

上司からも「 むいてねぇな 」と烙印を押されたこともあって、

 

数ヵ月後には円満退職することになっていた。

 

仕事は最低限の雑務だけをやり、

 

それ以外の時間は読書に費やした。

 

カーラジオがBGMだった。

 

 

午前もあと少しというところでラジオが人生相談から

 

次の番組へのエア・ポケットのようなコーナーに入り、

 

パーソナリティが3分だけ好きなことを喋っていた。

 

「 忘れられないことがあります、それは友人の家が火事になったときの話でした。

 

 幸い友人の家族は出払っていたので人間の被害はなかったのですが、

 

 家事はとても大きく、友人の家は全焼してしまいました。

 

 焼け跡になにか大事なものは残っていないか?と友人が調べたとき、

 

 黒ずんだ焼け跡の中きらんと光るものを発見しました。

 

 それは、どこかで買ったおみやげの陶器でした。

 

 大事なものではなかったのですが、私はこの話の中で印象に残っていることがあります。

 

 それは陶器だけが何故、焼け残ったか?ということです。

 

 実は、陶器は土から一度焼かれているから、熱に強いのです。

 

 ・・・私は思います、人間の心も同じではないでしょうか?

 

 最初から強い人間はいません、

 

 一度焼かれた心は強く、どんな苦難にも打ち勝つ力を持ちます。 」

 

こんな話だった。

 

それから十年以上経った

アタシは保険の営業をやめて、何個かの職を転々とし、いまは自営業をしている。

 

生活は決して楽ではないが、なにか苦しいことがあるたびにあのラジオを思い出す。

 

「 あの時と比べて、いまは幸せか? 」

 

「 あの時に戻れるなら戻りたいのか? 」

 

そう自問すれば、すぐに

 

「 とんでもない!どんなに苦しくても今のほうがいい 」

 

と答える。

 

保険の営業に比べたら、人生なんて楽勝なのだ。

 

それはつまり

 

死ぬほど辛いことに比べたら、人生なんて楽勝だ。

 

といえる。

 

一度焼かれてしまえば、それ以外のことはヌルイ。

 

今焼かれているのだとしたら、将来はきっと楽になる。

 

それは間違いない。

 

 

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