モトハチ(元蜂の宿管理人のブログ)

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「 誇り 」を外に持つことは危険である

あの、「 氷菓 」の著者米澤穂信が書いた

「 満願 」という本を読んだので、書評よ。

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ああ、おもしろかった

 この本は短編集なんだけど、どれもサイッコーに面白かったわ。 この人の書いた

「 インシテミル 」ってミステリーも大好きなんだけど、

現実的ミステリーの旗手といってもいいんじゃないかしら。

 で、タイトルになってる「 満願 」のテーマに「 誇り 」があると思うので、それについてちょっと語るわね。

 

誇り持ってる?

 一般的には「 誇り 」って言葉使わないわよねえ、どっちかといえば「 プライド 」よね。 でも、「 プライド 」だとちょっと軽い印象になっちゃうから「 誇り 」で通すわ。 

 で、なにを誇ってるか? ッて話よ。 あなた、なにか誇ってるの? それとも、なにも誇ってない? ワタシは、仕事をやめてからの10年間を誇ってる、でもそれまでは、なにも誇っていなかったのよ。

 小学生に「 誇り持ってる? 」って聞いても ? ってなるだけよね。 それが、中学、高校と成長して、社会人になって、少しずつ「 誇り 」ってのがチリのように積もって、具現化してくるんじゃないかしら? 

 つまり、「 誇り 」とは時間と共に積み重なっていくものだと思うの。 心の中に積もっていくチリの山よ、気がついたら自分の背をこえてみあげるくらいに大きくなったのが「 誇り 」なんじゃないかしら?

 で、顕微鏡を引っ張り出して、「 誇り 」をプレパラートに乗っけて、ピントを合わせて、覗き込むじゃない? たぶん、小さな成功体験がみえるはずよ。 「 今日も一生懸命働いた 」とか「 家族が今日も健康だった 」とかの小さな成功。

 それが積もって、巨大化し、いつしか自分の人生の大きな部分をしめると分かったとき、人はそれを「 誇り 」にするのよ。

 でね、その誇りが自分の中にあるのはいいけど、「 外 」にあるときはちょっとしたリスクがあると思うの。

 

他人を誇ると依存する

 一生懸命働いて、家族を養って、子供が成長したときに、親はそれを「 誇り 」に持つと思うの。 当然だわ、すばらしいことだもの。 ただ、まとめ生活板なんて読んでたら、その「 誇り 」がひねくれた方向に向かったり、裏切られたりすることがあるって思うのよ。

楽しいことないかな速報 : ★修羅場/衝撃/最悪な出来事とか読んでたらそんなケースによく出会うわ。 仕事や家族に自分の「 誇り 」をあずけてしまうと、

1、仕事の環境が変わったときに、誇りを失うことになるし

2、家族に依存してしまう場合もあるわ

 

 つまり、最大の誇りは自分自身の中に持つべきよ。 人間はどんなに貧しくても、「 誇り 」があれば生きていけるわ。

 あ、でもこれホームレスも同じこと思ってるでしょうね。

 

まとめ

 誇りを持って仕事をしていても、クビになる事だってあるわ。 家族を養うことに誇りを持っていても、離婚されちゃう事だってあるでしょうよ。 

 そんときは、また、積み上げればいいじゃない、あなたの中に、あなたの「 誇り 」を。 

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