大友逸星という句人をご存知だろうか?
仙台の人で2011年に没してしまった。
逸星の川柳は読めば読むほど言葉の意味が分からなくなり、
しまいには「 言葉って何だっけ? 」とトンでしまいそうになる。
そんな取り扱い注意な言葉を紹介したい。
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ディープな川柳の世界
故人のことを知ったのはこの画像のおかげだ。
「 泥だらけ乃飴を 男としゃぶり合う 」 大友 逸星
・・・・先生・・・・意味が分かりません。
飴をしゃぶり合うんですか? はあ・・・・
あっ、そーゆープレイですか? へー
しかし・・・・泥を落としてからのほうがいいのでは?
「 ちょっと、キミキミ! 」
「 はい? 」
「 何か誤解をしてるんじゃないか? 」
「 誤解・・・ですか? 」
「 そうだ、この石碑に書かれた句は、そのまま取るとえらい意味になってしまう 」
「 えっ・・・この句に深い意味が・・・ところで、あなたは・・? 」
「 ワタシは慣用句マンだ! 」
「 慣用句マン! 」
「 そうだ!慣用句マンだ! 」
「 すごい! 」
「 はっはっは、そうだ! すごい慣用句マンだ! 」
「 もっと! 」
「 よしよし!君たち!慣用句は好きかい? 」
「 うん!上腕三頭筋ぐらいすき! 」
「 そうか!じゃあ、見せてあげよう、三頭筋マッシブ!! 」
「 うわーすごい!大腿四等筋もバンプアップして!! 」
「 よーし、見てろ!フン!!! 」
カシャッ!というシャッター音がスタジオに響き渡る
その音は慣用句マンの羞恥心を一枚ずつ脱がすのであった
おそらく、もうすぐ慣用句マンは着ていた布をすべて捨て、
なしくずしに撮影は始まるのであろう
「 まったく、えげつない 」と僕は思った
~堕ちた慣用句マン、屈辱の写真集~ より
「 飴をしゃぶりあう 」という慣用句の意味
あ、脱線した。 つまり、「 飴をしゃぶり合う 」には
どーやら別の意味があるらしい。 そのままだったら、ただの変態だ。
そして、おそらくこーゆーことだろう
飴をしゃぶらせる(あめをしゃぶらせる)
勝負事などでわざと負けて相手を喜ばせる。また、相手をうまい話でつる。飴を舐(ねぶ)らせる。
つまりは接待や営業や詐欺などの行為を
「 飴を舐(ねぶ)らせる 」といい
「 泥だらけ 」はダーティプレイという意味だろう。
故逸星は政治などの批評もする人であったらしい。
泥だらけの飴を 男としゃぶり合う は
人間社会の泥まみれの部分を、痛烈に批判した一句と取れる。
アメリカのパンツを穿いて動けない 逸星
真珠湾までテープを巻き戻す
股間から憲法九条そそり立つ
この国はよく洗濯をする家だ
戦争と地震のどちらかに○を
http://daenizumi.blogspot.jp/2012/03/blog-post_16.html より
これも意味が良く分からないが、政治批判の句らしい。
3行目の「 股間から●●そそり立つ 」というのが雄雄しくてすき。
男たるものしゃぶりあってんじゃないよ!と そそり立て!という
逸星の喝が聞こえてきそうだ。
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