もちろん成功もしないけど失敗もしない、
そんなことを6年ほどやったのでまとめてみる。
ほぼ素人だった6年前。 ライダーハウスの敷地内に
居酒屋ができる店舗があったので、ついでに借りた。
東京23区ぐらいの大きさに1万人が住む美瑛町、
その住宅街の端で6年ほど居酒屋をやってみた。
ライダーハウスと連動しての営業だが、居酒屋だけでも
死なない程度に営業できる。 人口密集地の繁華街に
店を構えるだけが成功の法則ではないのだ( もちろん
「成功」の定義はひとそれぞれ )。
田舎で飲食店をするメリット
1万人の町を「 田舎 」と定義するのはあなたの価値観による。
まあ、一般的に田舎といっても差し支えない程度の立地だ。
「 そんなところに人は来るの? 」と疑問に思うかもしれない。
が、来る。 それはなぜか?
1、知り合いに会わない
そもそも、飲食店の数が少ないので、宴会好きのサラリーマン方は
行く先々で見知った顔にであってしまう。 まったくの他人ならいいが、
仕事の付き合いがある場合が多いので( 美瑛町なら農業関係 )
気まずい、そして大きな声で話しずらい。
そんなことがひんぱんに発生する田舎の居酒屋事情、ちょっと遠くても
「 ぜったい人に会わないから 」というメリットは計り知れない。
2、家賃が安い
一皿に家賃を乗せなくてはいけないのだから、
家賃が安ければ皿の値段を下げることができ、来客チャンスも増える。
3、目立ちやすい
森の中に木を植えるよりも、砂漠に植えたほうが目立つ。
広告費を削ることができる。
4、ライバルがいない。
繁華街で飲みに行くのならば、定番の店を持つことが多いだろう。
しかし、人間というものは飽きる生き物である。
「 この前もこの店だったから、今回は別のところ行かない? 」
となるものだ。 田舎ならこのケースは少ない。
そもそもの選択肢が少ないからだ。
では、デメリットをあげてみよう
1、当然、人がいない
「 今日はひまだな~ 」と外に出てみれば
漆黒の闇が辺りを支配しているなんてざらである。
生き物が活動している雰囲気がない。 そんなことがある。
2、2次会が遠い
宴会の常として、だいたい1つの店では終わらないものだ。
田舎の場合、2次会に適した店に歩いていくことは不可能に近い。
3、信用を失ったら最後である
人間の流れが少ないので、一度信用を失ってしまえば、致命的な
ことになりかねない。 「 次がんばろう 」の次がない場合がある。
4、家族連れと酔っ払いの交流
晩御飯を食べる人と、酒を飲んで暴れたい人が同時に来るときもある。
注意が必要だ。
自分の「 成功 」とはなんなのか整理する
2店舗、3店舗と増やして行き、何もしなくても収入が入ってくるのは
成功だろう。
また、いつもの常連とノントラブルでストレスのない状態を長く続けるのも
成功と言える。
ひたすら料理の腕を磨き続ける人もいるし、週末だけの副業で飲食店を
経営する人もいる。
あなたにとって「 成功 」とは何なのだろう?
失敗しないためには
かのホリエモンも言っているが
「 商売というのは収入が費用を上回ればいいだけ 」なのだ。
3日で腐る食材を大量に仕入れて「 失敗した! 」というアホはいないだろう。
未経験で1000万の借金をして、でっかい店を始めるアホもいないだろう。
金をなるべくかけないで、郊外でひっそりと店を始めてみれば、
あなたの目指す成功がわかるし、あなたの得意とする客層もわかる。
飲食店は誰にでもできる
料理なんてほとんどできない時があった、とにかくしゃべりまくった。
一時期、「 とにかくうまいと思うものを提供しよう 」と原価にかまわず提供したことがあった。 もちろん儲からなかったし、激しく消耗した。
「 どうせ家で時間と原材料費をかけて作ったものにはかなわない 」とあきらめたときがあった。 しかし、よく観察してみると「 うまいもの 」だけが商品ではないことがわかってきた。
問い : 5時間かけて作られたローストビーフと、台湾産の冷凍枝豆。どちらが旨いでしょう?
答え : どちらも旨い
そう、どっちも旨い。 旨さのものさしは4次元レベルで存在する。
では、飲食店では何を提供しているのだろう?
どーやら 場 ではないだろうか。
6時間しゃべる奥様方もいる。
漫画の話をしにくる人もいる。
後輩を説教しにくる人もいる。
つながりを確認しにくる人もいる。
そーいった 場 を提供できることができれば、 飲食店は失敗しない。
大事なのは場所ではない。 場 なのだ。